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霊芝研究データ

【動物実験データ】 - ラット肝障害に対する直井霊芝の予防効果 -

ラット肝障害に対する直井霊芝の予防効果
ウィルス性肝炎は、日本およびアジアを含めて、世界の多くの地域で健康を脅かす深刻な問題の一つとなっている。そこで本研究では急性肝障害モデルとして、D-ガラクトサミン(Gals)誘発肝障害ラットを用いた。この病態モデルは病理組織的にヒトのウィルス性肝炎に類似し、Galsの過量投与で劇症肝炎様の病態を示すと言われている。本報では、この病態モデルにおける直井霊芝の肝機能改善効果について検討した。
■ラット肝障害に対する直井霊芝GYR系(三色)の予防効果
1.被検物質
被検物質としては、直井霊芝GYR系(三色)(Lot No.140130, 40%溶液)を被検物質(Ganoderma lucidum preparation以下、直井霊芝と略す)とした。この一定量を精製水に溶解し、120℃、20分間滅菌したものを実験に供した。

2.実験動物および飼育条件
供試したWister系雄ラット(日本エスエルシー㈱)は7週齢で購入し、7日間の予備飼育の後、一般症状観察および尿検査で異常が認められなかったラットを試験に供した。
ラットは温度23±2℃、相対湿度55±5%のバリアシステムの環境下の飼育条件下で1群10匹とし、プラスチックケージに5匹ずつ同居させ、固型飼料(クレアCE-7)と水道水を自由に摂取させた。なお、本実験は三重大学生命科学研究支援センター動物実験施設ならびに三重大学動物実験委員会の審議を経て、学長承認を得て行った(承認番号:21-26)。

3.肝障害ラットの作製
Gals肝障害の作製に用いたGalsは、Sigma社のD-ガラクトサミン塩酸塩を生理食塩液に溶解した後に1N-NaOHで中和し、滅菌フィルターで濾過して注射液を調製した。Gals肝障害の予備試験では、Galsを500,1000,1500mg/kgの投与量でもって各群3匹のラットに腹腔内投与して、24時間後の血清中のGOT(アスパラギン酸アミノ基転移酵素)およびGPT(アラニンアミノ基転移酵素)活性を測定した。その結果、GOT活性では5000KU/mL、GPT活性では2000KU/mL程度の確実な上昇が認められるGals1000mg/kgを本実験の肝障害を誘発させうる投与量と決定した。

4.投与スケジュール
実験群は次の4群(各群5匹)に分けた。
①無処置群:生理食塩液のみを腹腔内投与、②Gals処置対照群:Gals1000mg/kgを腹腔内投与、③Gals+直井霊芝500mg/kg経口投与群、④Gals+直井霊芝1000mg/kg経口投与群を設定した。直井霊芝は、Fig.1に示した実験スケジュールに従って計8回強制的経口投与した。

5.血液・生化学的検査
Gals投与8,24および48時間後の投与終了時に実施した。採血前、動物にエーテルで麻酔し、開腹後、腹部大動脈から採血し、その初血にK3-EDTAを添加して検査に用いた。血清中のGOT、GPT、アルカリホスファターゼ(ALP)活性はAU-5400(オリンパス,全自動多項目分析装置)で測定した。トリグリセライドは市販のキット(和光純薬)を用いて測定した。過酸化脂質はYagi*の方法に準じて測定し、チオバルビツール酸反応物質量で示した。
*Yagi K simple flourometric assay for lipoperoxide in blood plasma. Biochem Med 1976;15:212-6
肝障害ラット 霊芝投与スケジュールFig1
〇直井霊芝の化学的成分組成とアミノ酸組成
直井霊芝(40%溶液)に5倍量の精製水を加え、100℃で2時間撹拌抽出し、12,000rpm、10分間遠心分離し、濾液を真空凍結乾燥して得られた直井霊芝抽出エキスの収量は、12.8%であった。Table1に直井霊芝の化学的成分組成、Table2にアミノ酸組成を示した。
実験に供した直井霊芝の性状は茶褐色でやや粘性が有り、pHは4.63を示し一般細菌数は300以下/g、大腸菌群および黄色ブドウ球菌はいずれも陰性であった。
肝障害Table1・2
ガラクトサミン(Gals)負荷による肝障害ラットのGOT、GPTおよびALP活性に対する直井霊芝の効果
Table3に示すように、Gals投与8時間後のGOT活性は無処置群の8.7倍に上昇し、24時間後で70.3倍とピークに達し、48時間後には31.7倍となりGOT活性は最高値の約1/2に減少した。一方、GPT活性もGals投与後、24時間後に無処置群の53.0倍とピークを示し、48時間後にはGPT活性は42.9倍と減少した。
直井霊芝250mg/kg×2(朝・夕)および500mg/kg×2(朝・夕)投与群のGOTおよびGPTの活性をGals処置対照群の24時間後のピーク時と比較すると、GOT活性は、28.0%および32.1%、GPT活性では、15.1%および29.8%それぞれ抑制された。このようにGals投与によるGOTおよびGPT活性の上昇に対して、直井霊芝投与群では24時間後において両酵素活性の上昇は抑制され、この傾向は48時間後においても認められた。ALP活性は無処置群とくらべGals投与により上昇傾向を示すが、直井霊芝投与により用量依存的に有意な抑制が認められ、無処置対照群のレベルまで改善された。
肝障害Table3
ガラクトサミン(Gals)負荷による肝障害ラットの血清中のトリグリセライド活性に対する直井霊芝の効果
Table4に示すように、Gals投与8時間後のトリグリセライド活性は無処置対照群と比較して29.7%、24時間後で30%、48時間後で34.8%減少した。Gals処置対照群と直井霊芝500mg/kg×2(朝・夕)投与群と比較すると、8時間後で29.7%、24時間後で36.5%、48時間後では51.7%と有意の増加が認められ、直井霊芝投与による顕著な改善効果が発現した。
肝障害Table4
ガラクトサミン(Gals)負荷による肝障害ラットの血清中の過酸化脂質に対する直井霊芝の効果
過酸化脂質の測定は二重結合を有する脂肪酸からなる油脂が酸化されると、マロンアルデヒドを生じ、これがチオバルビツール酸と反応して赤色に呈色することにより測定できる。Table5に示すように、Gals投与により、過酸化脂質値は無処置対照群と比較して27.8%から49.7%と上昇傾向を示すが、この変化は直井霊芝投与により推計学的に有意に抑制された。
肝障害Table5
ウィルス性肝炎の病態モデルであるラットのGals誘発肝障害に対する直井霊芝の肝機能改善効果について検討した。 Gals投与による血清中のGOT、GPTおよびALP活性の著名な上昇が認められた。 直井霊芝を前・後経口投与すると、これらの酵素活性の上昇は有意に抑制された。トリグリセライド値は、Gals投与により有意に減少するが、直井霊芝投与により顕著な改善効果が認められ、正常レベルまで回復した。また、Gals投与による過酸化脂質の上昇は、直井霊芝投与により抑制されることが明らかとなった。
薬理と治療 霊芝の肝障害の予防効果


[薬理と治療(JTP) 2015年5月20日発行 vol.43 no.5 別刷 ライフサイセンス出版]
※掲載されている論文中にある「五岳霊芝」はすべて「直井霊芝GYR系」のことです。



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